中国のAI企業、月之暗面(Moonshot AI)が、大規模モデル「Kimi K3」のモデルデータを公開した。総パラメーター数は2.8兆。最大100万トークンの文章を扱え、画像の内容も読み取れるという。
今回の公開により、企業や開発者はKimi K3を自社の環境に導入し、用途に合わせて手を加えられるようになる。社内の資料検索や文書整理、プログラム開発など、外部サービスにデータを預けにくい仕事でも活用しやすくなる。
目を引くのは、一度に読める情報量の多さだ。長い報告書や契約書、研究資料、大規模なプログラムコードなどをまとめて読み込ませることができる。何度も資料を分けて入力する手間が減り、前に読んだ内容とのつながりも追いやすい。
画像にも対応する。グラフやウェブ画面、スキャンした書類、アプリの操作画面などを見せ、内容を説明させたり、不自然な部分を探したりできる。文章と画像を一緒に確認する作業にも使えそうだ。
2.8兆という数字は大きいが、毎回すべての機能を動かすわけではない。仕事の内容に応じて必要な部分だけを使う仕組みで、計算の負担を抑えている。
とはいえ、家庭用パソコンで気軽に動かせる規模ではない。実際に導入するのは、クラウド事業者や大企業、専門の開発チームが中心になるだろう。一般の利用者は、ウェブサービスやアプリを通じて使う形が現実的だ。
今回の公開は、単に「大きなモデルが登場した」という話ではない。開発者が自分たちの手で試し、直し、新しいサービスにつなげられる点に意味がある。会話の自然さを競う段階から、長い資料を読み、画像を確かめ、実際の仕事をどこまで任せられるかを競う段階へ。Kimi K3は、その流れを示す一例になりそうだ。