Mercury 2.5 Preview

Mercury 2.5 Previewは、Inception Labsが公開した拡散型LLMです。 公式では毎秒1,107 Tokenをうたっています。かなり速い数字ですが、まだ第三者による検証はありません
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会社Inception
コンテキスト260K
リリース2026-08
更新日2026-09-03

Mercury 2.5 Preview 概要

Mercury 2.5 Previewは、2026年8月31日に公開されたdLLM(Diffusion Large Language Model)です。OpenRouterなどを通じてAPIで利用できます。

GPTやClaudeのような一般的なLLMは、Tokenを1つずつ順番に生成します。Mercuryはそこが違います。

最初に大まかな出力を並列で作り、それを何度か修正しながら文章を仕上げていく方式です。

画像生成で使われてきた拡散モデルに近い考え方を、テキスト生成に持ち込んでいます。

コンテキスト長は256K〜260K Token、最大出力は約65K Token。推論レベルの調整、並列ツール呼び出し、JSON形式の構造化出力にも対応しています。

画像や音声、動画は扱えず、入出力はテキストのみです。

Inceptionが比較対象として挙げているのは、GPT-5.6 Lunaの低推論設定、Gemini 3.5 Flash-Lite、Claude Haiku 4.5あたり。

最上位モデルと正面から殴り合うというより、そこそこ賢くて、安くて、とにかく速いという立ち位置です。

ただし、ここは少し慎重に見たいところ。

モデルはクローズドで、独立した第三者ベンチマークもまだ出ていません。 今の性能評価は、ほぼInception側の数字に頼っています。

つまり、今はまだ「実証済み」というより「かなり面白そう」という段階です。

Mercury 2.5 Preview 料金プラン

プラン価格説明
入力Token 通常 0.20ドル / 100万Token、ローンチ価格 0.04ドル 9月8日まで80%オフ
出力Token 通常 0.75ドル / 100万Token、ローンチ価格 0.15ドル 9月8日まで80%オフ

ローンチ価格はかなり安いです。

入力0.04ドル、出力0.15ドル / 100万Tokenなら、試すハードルはかなり低い。

ただし、安いのは今だけです。

9月8日を過ぎると入力0.20ドル、出力0.75ドルに戻ります。

しかもMercuryはAPI専用。モデルを自分でダウンロードして運用することはできません。

長期コストを自分でコントロールしたい人には、この点が少し引っかかります。

Mercury 2.5 Preview 主な機能

1. いちばんの特徴は、やっぱり拡散方式

Mercury 2.5は、普通のLLMのように1 Tokenずつ文章を伸ばしていきません。

一般的なLLMが「超高速タイピング」だとすると、Mercuryは先にページ全体の下書きを置いて、そこから何度も直して完成させるイメージです。

Inceptionによると、この方式で毎秒1,107 Tokenに達します。

これが実環境でも安定して出るなら、かなり強いです。

長文生成はもちろん、何度もモデルを呼ぶAgentや、返答の待ち時間がそのまま体感につながる音声アプリでは特に効きそうです。

とはいえ、1,107 Token/秒はまだ公式値です。

第三者が同じ条件で測って、近い数字が出るまでは少し割り引いて見たほうがいいでしょう。

2. 推論の強さを調整できる

Mercury 2.5は、推論レベルを変更できます。

簡単な質問なら低めにして速度を優先。コードや論理問題なら高めにして、もう少し考えさせる。

この機能自体は珍しくありません。

でも、速度を売りにするMercuryでは相性がいいです。

単純な問い合わせなのに推論だけで長く待たされるなら、毎秒1,107 Tokenと言われてもあまりうれしくありません。

3. 並列ツール呼び出しはAgent向き

Mercury 2.5は、複数のツールを並列で呼び出せます。

たとえばAgentが、1つのAPIで価格を取り、別のAPIでユーザー情報を取り、さらにデータベースを調べるとします。

全部を順番にやるより、同時に走らせたほうが速い。

そこに高速なテキスト生成が組み合わさるので、チャット用途よりAgent用途のほうがMercuryらしさは出やすそうです。

Schemaに合わせたJSON出力にも対応しています。

地味ですが、開発側からすると後処理が減るので助かる部分です。

4. コンテキストも十分大きい

Mercury 2.5のコンテキスト長は、公開先によって256Kまたは260K Tokenと表記されています。

最大出力は約65K Token

巨大なコードベース、長文資料、長時間動くAgentの履歴を持たせるには十分なサイズです。

市場最大というわけではありません。

でもMercuryは「最大コンテキスト」を売るモデルではないので、このくらいあれば困る場面は少なそうです。

まとめ

メリット

  • 自回帰ではなく、拡散方式でテキストを生成
  • 公式では最大1,107 Token/秒
  • ローンチ価格がかなり安い
  • 並列ツール呼び出しに対応
  • JSONの構造化出力が可能
  • 256K〜260Kのコンテキスト
  • 最大出力は約65K Token
  • 低遅延Agentとの相性が良さそう

注意点

  • 速度や性能はまだ第三者検証がない
  • クローズドモデルでAPI専用
  • 自前運用できない
  • テキストのみで、マルチモーダル非対応
  • 80%オフは2026年9月8日まで
  • 最上位モデルではなく、高速・低価格帯を狙ったモデル

向いている人

  • 音声、検索、コーディングAgentを作っている開発者
  • 拡散型LLMを実際に試したい研究者
  • 推論の最高性能より、応答速度を重視するプロジェクト
  • 割引期間中にPoCを回したいチーム

あまり向いていない人

  • モデルの重みが必要なチーム
  • 完全なオンプレ運用が必須の企業
  • 画像、音声、動画を扱いたいプロジェクト
  • 第三者検証なしで重要な本番処理に入れたくない人

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