DeepSeek V4 Flash Vision Exp

DeepSeekは8月21日、APIプラットフォームで新モデル 「DeepSeek-V4-Flash-Vision-Exp」 を公開しました。 名前は少し長いですが、要点はシンプルです。V4-Flashが画像を見られるようになりました。
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会社DeepSeek
コンテキスト1M
リリース2026-08
更新日2026-08-28

DeepSeek V4 Flash Vision Exp 概要

これは、まったく別系統の画像モデルではありません。

ベースはあくまでV4-Flashで、そこに画像理解機能を追加した形です。

つまり感覚としては、

V4-Flash + 画像理解

と考えるのが一番わかりやすいです。

モデル名の最後にある「Exp」はExperimental、つまり実験版を意味します。

内部構造はスパースMoEで、総パラメータ数は284B、実際に動作時に使われるアクティブパラメータは13Bです。

数字だけ見ると少し専門的ですが、重要なのは、画像対応を追加しても推論コストが大きく跳ね上がっていない点です。

対応画像形式はJPEG、PNG、GIF、WebP。

テキストと画像を組み合わせた入力にも対応し、コンテキスト長は最大1M token、最大出力は384K tokenです。

APIまわりも大きく変わっていません。

JSON Output
Tool Calls
Responses API
Anthropic API互換形式

などに対応しています。

要するに、Web版に画像アップロード機能が増えた、という話ではありません。

V4の画像理解をAPIから直接使えるようになったのが今回のポイントです。

一般ユーザーよりも、Agentや自動化ツールを作っている開発者のほうが恩恵は大きいでしょう。

DeepSeek V4 Flash Vision Exp 料金プラン

プラン価格説明
キャッシュヒット入力 オフピーク:0.05元 / 100万Token、ピーク:0.10元 / 100万Token 同じ文脈や固定プロンプトを繰り返し使う場合に安くなる
キャッシュ未ヒット入力 オフピーク:1.50元 / 100万Token、ピーク:3.00元 / 100万Token 新しい入力はこちら。画像もToken換算されて入力料金に含まれる
出力 オフピーク:4.50元 / 100万Token、ピーク:9.00元 / 100万Token モデルが実際に生成したToken数に応じて課金
Files API 無料 画像を一度アップロードし、file_idで再利用可能。1枚最大64 MiB

画像は1枚ごとの固定料金ではなく、Tokenに換算して課金されます。

1枚あたり最大 384 Token

ピーク時間のキャッシュ未ヒット料金で計算すると、

384 × 3元 ÷ 1,000,000 ≈ 0.00115元

です。

最大まで使っても、画像1枚あたりの入力コストは約0.001元。

かなり安いです。

同時実行数の上限は2500で、V4-Flashと同じです。

Files APIも無料。

一度画像をアップロードしておけば、その後はfile_idを指定するだけで再利用できます。

同じスクリーンショットやグラフ、デザイン案を何度もAgentに見せるような使い方なら、毎回Base64で送るよりかなり扱いやすいです

DeepSeek V4 Flash Vision Exp 主な機能

画像の渡し方は3種類

画像入力は3つの方法に対応しています。

どれも開発者にはなじみのある方式です。

Base64で直接埋め込む

ローカル画像をエンコードして、そのままリクエスト内に入れる方法です。

テストや小さな画像には手軽ですが、リクエスト全体で48 MiBの上限があります。

Base64にするとデータ量も増えるので、何度も使う用途にはあまり向きません。

外部URLを指定する

公開されている画像URLを渡し、サービス側で取得してもらう方法です。

手軽ですが、画像は32 MiBまで。外部からアクセスできるURLである必要もあります。

Files APIを使う

画像を先にアップロードし、その後file_idで呼び出す方法です。

1枚最大64 MiBまで対応していて、3方式の中では最も余裕があります。

同じ画像を何度も使うなら、これが一番現実的です。

Agentが「自分の作ったもの」を見られるようになった

今回のアップデートで本当に面白いのは、単なる画像認識ではありません。

画像理解がAgentの処理フローに入ったことです。

DeepSeekが紹介している例には、

  • チベット周遊の高級ロードトリップ向けPPT作成
  • DeepSeek Harness公式サイトのビジュアル再デザイン
  • 粘土モンスター風のフロントエンドDemo制作

などがあります。

どれも「画像を見て説明する」だけのタスクではありません。

画像、コード、ツール操作、完成した見た目まで、ひと続きで扱う必要があります。

ここはかなり大きいです。

テキストだけのAgentは、コードを書いたり修正したりすることはできます。

でも、完成したWebページがダサいのか、レイアウトが崩れているのか、グラフが読みづらいのかまでは、自分では確認できません。

作ることはできても、見た目を確認できない。

これが地味に厄介でした。

Vision-Expでは、その部分が変わります。

Agentが自分で作った画面を見て、もう一度修正できるようになります。

Web制作、PPT、フロントエンド、グラフ、UIまわりでは、単純な画像説明よりこちらのほうが実用性は高いです。

ベンチマークも伸びている

DeepSeekは、いくつかのマルチモーダルAgentベンチマーク結果も公開しています。

ApexBench(Pass@1)

  • V4-Flash-Vision-Exp:36.5
  • V4-Flash:26.2
  • Claude Opus-4.8:39.4

Agents' Last Exam

  • V4-Flash-Vision-Exp:27.3
  • V4-Flash:25.2
  • Claude Opus-4.8:25.7

Chartography

  • V4-Flash-Vision-Exp:64.3
  • Claude Opus-4.8:65.0

ZeroBench(Pass@5)

  • V4-Flash-Vision-Exp:35.0
  • Claude Opus-4.8:34.0

4項目を見る限り、Claude Opus-4.8と一方的な差があるというより、項目ごとに勝ったり負けたりする形です。

1点だけ注意があります。

ApexBenchとAgents' Last Examには画像情報を含む問題がありますが、旧V4-Flashは画像を扱えないため、その部分を無視していました。

そのため、ApexBenchの26.2から36.5への伸びを、単純に「モデル性能が10ポイント上がった」と見るのは少し違います。

画像を読めるようになったことで、今まで欠けていた情報を使えるようになった影響が大きいです。

テキスト中心のAgentベンチマークも上がっています。

  • Terminal Bench 2.1:82.7 → 83.9
  • DeepSWE:54.4 → 59.3
  • DSBench-Hard:59.6 → 63.6

少なくとも公開スコアを見る限り、画像機能を追加したことで、既存のAgent性能が落ちた様子はありません。

V4の弱点がひとつ消えた

V4-Flash-0731はテキスト専用でした。

チャットだけなら大きな問題ではありませんが、Agentとして使うと制約が目立ちます。

スクリーンショットを見られない。

グラフを視覚的に読めない。

UIが崩れていても確認できない。

PPTを作っても、レイアウトやデザインが良いか判断できない。

自動化では、ここが意外と大きな壁になります。

Agentは成果物を作れても、その成果物を自分で確認できないからです。

画像理解が入ったことで、少なくとも「一度作る → 見る → 修正する」という流れが作りやすくなりました。

Web、UI、PPT、グラフ系の用途では、かなり実用的な変化です。

まとめ

すでにV4-FlashをAgent開発で使っているなら、このモデルは試す価値があります。

APIの使い方は大きく変わらず、画像理解が追加され、それでも料金は同じです。

特に、

  • スクリーンショット
  • Webページ
  • ダッシュボード
  • PPT
  • グラフ
  • UI

を扱うAgentでは、相性が良さそうです。

一方で、モデル名にはまだ Exp が付いています。

実験版なので、安定性や細かいケースでの精度は、実運用で見極める必要があります。

人物認識も注意したい部分です。

梁文鋒氏を別人として認識したテスト例もあり、人物特定の精度が重要な用途には向いていません。

また、提供形態はAPIのみで、専用のWeb版はありません。

たまに画像を1枚読ませたいだけなら、わざわざAPIを使う必要はないでしょう。

逆に、AgentにスクリーンショットやWeb画面、グラフ、UIを扱わせているなら、今回のVision-Expはかなり気になる選択肢です。

V4-Flashに「目」が付いたのに、料金はそのまま。

今回の更新を一言で言うなら、そんなモデルです。

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DeepSeek モデル比較

モデル コンテキスト 料金 API リリース グローバル熱度
DeepSeek V4 Flash Vision Exp
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