1. コーディング性能がかなり上がった
今回、まず注目したいのがここ。
DeepSWE v1.1では、Gemini 3.8 Flashが73.7%を記録。3.7 Flashは65.3%、Claude Opus 5は74.0%だった。
Terminal-Bench 2.1では89.4%。Claude Opus 5の89.1%をわずかに上回っている。
もう「簡単なコードを書かせるための速いモデル」という見方だけでは足りない。
複雑な開発作業やターミナル操作、AIエージェントを使った開発まで、かなり踏み込んできた印象だ。
2. 専門分野のタスクにも強くなった
分かりやすいのが金融と法律だ。
Vals Finance Agent V2とHarvey's Legal Agent Benchmarkでは、3.8 Flashが3.7 FlashとClaude Opus 5の両方を上回った。
HLE-Verifiedでは54.9%。STEM、人文、専門分野など、幅広い領域の問題を扱うベンチマークだ。
もちろん、これだけで「どんな専門問題でも解ける」と考えるのは早い。
むしろ注目したいのは、情報を整理して、何段階か考えながら答えを出す仕事に向いてきたことだ。
3. 推論の強さを3段階から選べる
Gemini 3.8 Flashでは、Low・Medium・Highの3段階でthinking effortを設定できる。
第三者テストでは、高設定が59、中設定が57、低設定が52という結果だった。
この仕組みは開発者にとって結構便利だ。
簡単な処理まで毎回Highにする必要はない。難しいコードや長いエージェント処理なら設定を上げる。性能、速度、コストのバランスを自分で調整できる。
4. しっかり考えるようになっても、速度はまだ速い
3.8 Flashの出力速度は約300 token/秒。多くの主要モデルと比べて4〜6倍ほど速い。
p50レイテンシも3.6 Flashより約52%高速とされている。
つまり、推論を強化したからといって、Flashの「速さ」まで捨てたわけではない。
ここは今回のアップデートで結構いいところだと思う。
⚡ Gemini 3.7 Flashから何が変わった?
今回、3.7 Flashをゼロから作り直したわけではない。
3.7 Flashの技術基盤を引き継ぎ、モデルアーキテクチャ、学習データ、ハードウェア、ソフトウェアなども大きく入れ替えたわけではない。
変わったのは、むしろ「仕事の進め方」だ。
難しいタスクでは、より多く推論し、ツールを呼び出し、結果を確認して、さらに処理を続ける。14のベンチマークグループでは、8つでトップを取っている。
その代わり、1タスクあたりのコストは3.7 Flashより約40%高い。
ここはかなり重要だ。
簡単な関数を書くだけなら、そこまで大きな差は感じないかもしれない。大規模なコードベースや長時間動くAIエージェント、複雑な分析になると、追加された推論能力の価値が出てくる。
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