Gemini 3.8 Flash

4.65
今回のGemini 3.8 Flashは、数字以上に気になるアップデートだ。 Gemini 3.7 Flashが登場してから、わずか3週間。Googleはもう3.8 Flashを投入してきた。このペースだけでもかなり速い。
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会社Google
コンテキスト1M
リリース2026-09
更新日2026-09-07

Gemini 3.8 Flash 概要

Gemini 3.8 Flashは、2026年9月2日に正式リリースされたGemini 3シリーズのモデルだ。

テキスト、画像、音声、動画を入力でき、出力はテキスト。Googleは「most intelligent workhorse model」と表現している。

今回の方向性を見ると、この名前もそれほど大げさではない。

コーディング、AIエージェント、複数のステップを踏んで答えを出すようなタスクが主なターゲット。難しい処理では、推論に時間をかけたり、ツールを使ったり、結果を確認してから次に進んだりできる。

要するに、Flashが「とにかく早く答えるモデル」から少し変わってきた。必要なら、ちゃんと考えてから答える。そのうえで速度もかなり速い。

同時にGemini 3.8 Flash Cyberも発表された。こちらはサイバーセキュリティ向けで、脆弱性の発見や自動修正などを想定している。Fairwindプログラムを通じて、信頼されたセキュリティチームに提供される。

Gemini 3.8 Flash 料金プラン

プラン価格説明
Free $0/月 Geminiの基本機能を利用できるが、Gemini 3.8 Flashには非対応
AI Plus $7.99/月 日常利用や軽めのAIタスク向け。Gemini 3.8 Flashは利用不可
AI Pro $19.99/月 Gemini 3.8 Flashに対応。コーディングや複雑なタスクにも向いている
AI Ultra $99.99/月 または $199.99/月 Gemini 3.8 Flashに対応。ヘビーな利用やプロ向け
API 従量課金 2026年12月31日までは入力$0.75/100万token、出力$3.75/100万token。2027年1月1日からはそれぞれ$1.50、$7.50

キャッシュされた入力は、通常の入力料金の10%で利用できる。

APIを使うなら、2026年12月31日という日付は覚えておきたい。プロモーション価格が終わった後は、入力・出力ともに料金が2倍になる。

しかも3.8 Flashは、難しいタスクほど推論に多くのトークンを使う。表示されている単価だけを見ていると、実際の請求額とのギャップに驚くかもしれない。

Gemini 3.8 Flash 主な機能

1. コーディング性能がかなり上がった

今回、まず注目したいのがここ。

DeepSWE v1.1では、Gemini 3.8 Flashが73.7%を記録。3.7 Flashは65.3%、Claude Opus 5は74.0%だった。

Terminal-Bench 2.1では89.4%。Claude Opus 5の89.1%をわずかに上回っている。

もう「簡単なコードを書かせるための速いモデル」という見方だけでは足りない。

複雑な開発作業やターミナル操作、AIエージェントを使った開発まで、かなり踏み込んできた印象だ。

2. 専門分野のタスクにも強くなった

分かりやすいのが金融と法律だ。

Vals Finance Agent V2とHarvey's Legal Agent Benchmarkでは、3.8 Flashが3.7 FlashとClaude Opus 5の両方を上回った。

HLE-Verifiedでは54.9%。STEM、人文、専門分野など、幅広い領域の問題を扱うベンチマークだ。

もちろん、これだけで「どんな専門問題でも解ける」と考えるのは早い。

むしろ注目したいのは、情報を整理して、何段階か考えながら答えを出す仕事に向いてきたことだ。

3. 推論の強さを3段階から選べる

Gemini 3.8 Flashでは、Low・Medium・Highの3段階でthinking effortを設定できる。

第三者テストでは、高設定が59、中設定が57、低設定が52という結果だった。

この仕組みは開発者にとって結構便利だ。

簡単な処理まで毎回Highにする必要はない。難しいコードや長いエージェント処理なら設定を上げる。性能、速度、コストのバランスを自分で調整できる。

4. しっかり考えるようになっても、速度はまだ速い

3.8 Flashの出力速度は約300 token/秒。多くの主要モデルと比べて4〜6倍ほど速い。

p50レイテンシも3.6 Flashより約52%高速とされている。

つまり、推論を強化したからといって、Flashの「速さ」まで捨てたわけではない。

ここは今回のアップデートで結構いいところだと思う。

⚡ Gemini 3.7 Flashから何が変わった?

今回、3.7 Flashをゼロから作り直したわけではない。

3.7 Flashの技術基盤を引き継ぎ、モデルアーキテクチャ、学習データ、ハードウェア、ソフトウェアなども大きく入れ替えたわけではない。

変わったのは、むしろ「仕事の進め方」だ。

難しいタスクでは、より多く推論し、ツールを呼び出し、結果を確認して、さらに処理を続ける。14のベンチマークグループでは、8つでトップを取っている。

その代わり、1タスクあたりのコストは3.7 Flashより約40%高い。

ここはかなり重要だ。

簡単な関数を書くだけなら、そこまで大きな差は感じないかもしれない。大規模なコードベースや長時間動くAIエージェント、複雑な分析になると、追加された推論能力の価値が出てくる。

まとめ

良いところ

  • ソフトウェア開発、AIエージェント、専門タスクで性能が向上
  • DeepSWE v1.1で73.7%、Terminal-Bench 2.1で89.4%
  • 出力速度は約300 token/秒
  • 100万tokenのコンテキストに対応し、約1,500ページのA4文書を扱える
  • thinking effortをLow・Medium・Highから選べる
  • 2026年末まではAPIのプロモーション価格が3.7 Flashと同水準

気になるところ

一番気になるのは、やっぱり料金だ。

難しいタスクほどトークンを使いやすいうえに、3.8 Flashは1タスクあたりのコストが3.7 Flashより約40%高い。AIエージェントを一日中動かすような使い方なら、この差はかなり効いてくる。

Geminiアプリでは3.8 Flashを使えるのがProとUltraに限られる点もある。

APIのプロモーション価格も2026年12月31日まで。そこを過ぎると入力と出力の料金がそれぞれ2倍になる。

そしてもう一つ。

Benchmarkの数字はかなりきれい。でも、実際のプロジェクトでは話が変わる。

ある評価では、3.8 Flashが2〜3分ほどで動作する3Dシーンのコードを生成できた一方、最終的には「動くけど、なんか違う」という結果になるケースもあった。

ベンチマークで高い数字が出ていても、実際の仕事にそのまま持っていけば全部うまくいく、という話ではない。

こんな人には向いている

複雑なコードを書いたり、AIエージェントを使ったり、何段階も考える必要がある仕事が多いなら、3.8 Flashはかなり気になる選択肢だ。

金融や法律のように、大量の情報を順番に処理していく仕事でも試す価値はある。

企業で使うなら、料金だけで判断するより、人がやっていた作業をどれだけ減らせるかで考えたほうがいい。トークン代が増えても、それ以上に作業時間を減らせるなら十分元は取れる。

こんな人には無理におすすめしない

普段の使い方がチャット、要約、簡単な文章作成くらいなら、3.8 Flashは少しオーバースペックだ。

APIのコストをかなり気にする開発者も、急いで乗り換える必要はない。シンプルな処理なら3.7 Flashでも十分こなせる。

とりあえず試してみたいだけで、Proにお金を払うつもりがないなら、少し待ってみるのもありだ。

GoogleがFlashをどこへ持っていこうとしているのかは、かなり分かりやすくなってきた。

「速くて安いモデル」だけでは、もう満足していない。

これからは、もっと難しい仕事も取りにいく。

ユーザーにとっては嬉しい話だ。

ただし、一つだけ覚えておきたい。

モデルが賢くなって、考える時間が増えるほど、請求書まで賢くならないとは限らない。

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モデル コンテキスト 料金 API リリース グローバル熱度
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1M YES 2026-08
95/100
1M YES 2026-07
97/100
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