Schematron V2 Turbo

Inference.netは9月12日、Schematron V2 Turboを公開しました。V2 Smallと同じ日に登場したモデルで、役割はかなり明確です。 両方ともHTMLをJSONに変換するモデルですが、方向性が違います。V2 Smallは抽出精度寄り。Turboは処理速度と大量処理向けです。
Advertisement 728 × 90
会社Inference Net
コンテキスト128K
リリース2026-09
更新日2026-09-15

Schematron V2 Turbo 概要

Schematron V2 Turboは、Inference.netのHTML-to-JSON抽出モデルです。

パラメータ数は3Bで、V2 Smallと同じベースモデルを使っています。

普通のチャットAIとは使い方が違います。

私も最初は「商品価格を抽出して」と入力すれば動くと思っていました。

実際にはそうではありません。

Schematronは自然言語の指示ではなく、JSON Schemaを使います。

抽出したい項目や形式をSchemaで定義し、APIリクエストのresponse_formatに入れる。

モデルはHTMLを読み、その形式に合わせてJSONを返します。

この仕組みの良さは安定性です。

項目名やデータ型が決まっているため、後からJSONを修正する作業が減ります。

一方で自由度は低いです。

ページ構造が変わった場合、プロンプトを変えるのではなくSchema側を修正します。

Turboは128K tokensのコンテキストに対応し、最大出力は約8K tokens。

用途は以下のような構造化データ処理です。

Webスクレイピング
商品データ登録
金融文書解析
大量HTMLのデータ化

モデルの重みは公開されておらず、API経由で利用します。

Schematron V2 Turbo 料金プラン

プラン価格説明
API利用 入力 $0.03 / 100万tokens、出力 $0.15 / 100万tokens 利用量に応じた課金

V2 Smallと比べると:

  • 入力料金:約40%低下
  • 出力料金:約40%低下

Inference.netの試算では、10万ページを処理する場合:

条件:

  • 1ページあたり10K入力tokens
  • 500出力tokens

費用:

  • V2 Small:約62.50ドル
  • V2 Turbo:約37.50ドル

Schematron V2 Turbo 主な機能

1. 大量処理向けの高速化

Turboの存在理由はここです。

単一H100環境で、10K入力tokens+500出力tokensの条件では、4.14 requests/secを達成しています。

比較すると:

  • V2 Small:2.47 requests/sec
  • 初代8B:約1.66 requests/sec

TurboはV2 Smallより約1.7倍、初代8Bより約2.5倍高速です。

この差は、少量のデータ処理ではあまり感じません。

でも、リアルタイムスクレイピングや価格監視、金融文書処理のような常時動くシステムでは、そのまま処理時間とサーバーコストに影響します。

私ならTurboを少数の重要ページ分析には使いません。

大量の同じ処理を回す場面で使います。


2. 品質は十分、ただし最高ではない

TurboはSmallより少し品質を落として、その分速度と価格を取るモデルです。

Inference.netはGPT-5.4をLLM-as-judgeとして評価しています(5点満点)。

結果:

  • V2 Turbo:4.039
  • V2 Small:4.060
  • V1 8B:4.070
  • V1 3B:3.909

SimpleQAでは:

  • V2 Turbo + GPT-5 Nano + Exa:79.42
  • V2 Small:83.10

数字ではTurboはSmallより低いです。

ただ、私はこの数ポイントの差をそのまま重要視しません。

大量のデータ処理では、少し高いスコアより、

  • 失敗率
  • 処理速度
  • 修正作業の量

のほうが影響します。

必要な品質を満たしているなら、安いほうが合理的なケースもあります。


3. Schemaベースで動く抽出モデル

TurboもV2 Smallと同じく、Schemaで制御します。

例えばタイトルを取りたい場合、

「タイトルを抽出して」

ではなく、

title: { type: "string" }

のように項目を定義します。

そのSchemaに合わせてJSONを返します。

この方式のメリットは形式が崩れにくいことです。

  • 項目不足
  • 型違い
  • JSON形式の崩れ

といった後処理を減らせます。

ただし、柔軟な理解は期待できません。

ページ構造が変わればSchema修正が必要です。

TurboはWebページを分析するAIではなく、決めた形式にデータを移すためのツールです。


4. V1 3Bからの高速化版

Inference.netは初代3Bと8Bモデルを終了しています。

schematron-3bへのリクエストはV2 Turboへ自動的に切り替えられます。

変化は分かりやすいです。

速度:

  • V1 3B:約1.66 requests/sec
  • V2 Turbo:4.14 requests/sec

品質:

  • V1 3B:3.909
  • V2 Turbo:4.039

速度は大きく改善し、品質も少し上がっています。

TurboはSmallの廉価版ではありません。

V1 3Bを使っていた人が、大量処理向けに移行するためのモデルです。

まとめ

私ならSchematron V2 Turboを使うのは:

  • 大規模Webスクレイピング
  • 商品価格監視
  • 大量HTMLのJSON化
  • 金融文書の一括処理

です。

ここで必要なのは「ページの意味を考える能力」ではなく、決めた項目を速く安定して抜くことだからです。

逆に使わないのは:

  • 記事要約
  • ページ内容の判断
  • 複雑な分析
  • 自由な質問対応

です。

数十万、数百万ページを処理するなら、Turboの速度と価格差は大きいです。

数ページだけ処理するなら、普通のLLMのほうが楽です。

私が見るポイントは単純です。

API料金が安いかではなく、データ処理全体の時間を減らせるか。

そこが改善するなら使います。

確認作業ばかり増えるなら、安さだけでは選びません。

コメント(0件)

コメントを書く

Advertisement 728 × 90

Inference Net モデル比較

モデル コンテキスト 料金 API リリース グローバル熱度
Schematron V2 Turbo
128K YES 2026-09
128K YES 2026-09

類似モデル

Schematron V2 Small
Inference.netは9月12日、Schematron V2 Smallを公開しました。このモデルがやることはかなり限定されています。HTMLをJSONに変換すること。
Inference Net
GPT-5.5
99
GPT-5.5の第一印象は、チャットボットというより、仕事をそのまま渡せる同僚に近づいたということだ。 タスクを渡せば、自分で分解し、ツールを使い、結果まで確認する。
OpenAI
Claude Opus 5
97
Opus 5で気になったのは、ベンチマークの伸びより価格だ。最上位モデルに近い性能が、より現実的なコストで使えるようになった。 一方、数時間に及ぶ作業まで完全に任せられるかというと、まだ慎重に見たい。
Anthropic
GPT-5.6 Luna
97
速度・コスト効率・高性能を両立した、GPT-5.6 シリーズの高効率 AI モデル。
OpenAI
GPT-5.6 Luna Pro
96
OpenAI が開発した次世代の高効率 AI モデル。速度・コスト・性能のバランスに優れ、チャット、コード生成、自動化タスクなど幅広い用途に対応します。
OpenAI
GPT-5.5 Pro
96
ここ数週間、同僚と一緒にGPT-5.5 Proをかなり使い込んでみました。 使えば使うほど、評価が難しいモデルだと感じます。 能力だけを見れば、これまで触ってきたAIの中でも「仕事をそのまま任せられる相手」にかなり近いです。
OpenAI
Claude Opus 4.8
94
Claude Opus 4.8 は Anthropic の Opus シリーズ最強モデルで、マルチモーダル入力・推論・100万トークンのコンテキストを備え、複雑な推論とコーディングに優れています。
Anthropic
Gemini 3.8 Flash
93
今回のGemini 3.8 Flashは、数字以上に気になるアップデートだ。 Gemini 3.7 Flashが登場してから、わずか3週間。Googleはもう3.8 Flashを投入してきた。このペースだけでもかなり速い。
Google