Figmaのプロトタイプを使って、Mazeで一通りテストを実施してみました。
設定は想像していたより簡単でした。プロトタイプを取り込み、タスクと質問を追加し、参加者を選べば、そのまま公開できます。テスト結果が集まったあとも、自分で表計算にまとめ直す必要はありません。
最も時間を節約できるのは、自動レポートです。
各タスクを何人が完了したか、平均でどれくらい時間がかかったか、どこが最もクリックされたかといった情報を、Mazeが自動で整理してくれます。従来のユーザビリティテストでは、こうしたデータを人が集計することが多かったですが、Mazeならテスト終了後すぐに確認できます。
ただし、Mazeが教えてくれるのは主に**「何が起きたか」であって、必ずしも「なぜ起きたか」**ではありません。
たとえば、あるステップだけ成功率が急に低下していれば、Mazeはその異常を簡単に見つけてくれます。しかし、ユーザーがなぜそこで詰まったのかを理解するには、録画を見たり、回答を読んだり、場合によっては追加インタビューを行ったりする必要があります。
AI機能も同様です。
自由回答を要約したり、質問文に誘導的な表現が含まれていないかを指摘したりできます。確かに便利ですが、複雑なフィードバックでは、最終的に人が文脈を理解して解釈する必要があります。
無料版の制限はかなり明確で、月に実施できる研究は1件だけです。
Mazeがチームに合うかどうかを確認するには十分ですが、本格的にプロダクト改善へ組み込むと、月1回では通常足りません。
個人的に良いと感じたのは、研究手法ごとに単に名前だけを変えているわけではない点です。
ツリーテストやカードソーティングを作成すると、画面、ガイド、設定フローもそれぞれに合わせて変わります。UX Researchを体系的に学んだことがなくても、テンプレートに沿えばおおよその設定方法が分かります。
長所・短所
長所
- ワークフローが集約されている。 リクルーティング、テスト、分析、レポートまで、複数ツールを行き来する必要が少ないです。
- 自動レポートで時間を節約できる。 成功率、所要時間、行動経路、ヒートマップなどを直接生成できます。
- Figmaとの連携がスムーズ。 デザイン完成後、すぐに検証フェーズへ移りやすいです。
- 研究手法が幅広い。 シンプルなアンケートからツリーテスト、カードソーティング、インタビューまで対応しています。
- 専門研究者でなくても使いやすい。 特にプロダクトマネージャーやデザイナーに向いています。
短所
- Starterは安くない。 月額約$100は、個人や小規模チームには負担になりやすいです。
- 無料版の利用枠が少ない。 月1件の研究は、実質的には体験版に近いです。
- AIは分析を補助するだけ。 結果を整理することはできますが、ユーザーインサイトそのものを代わりに導き出すわけではありません。
- テスト設計のスキルは依然として必要。 ツールが簡単でも、良い研究課題を設計すること自体は簡単ではありません。
向いている人 / 向いていない人
向いている人:
- プロダクトマネージャーやデザイナー。 専任リサーチャーがいなくても、継続的にデザインや機能を検証したい人。
- 高速で改善を繰り返すプロダクトチーム。 リリース頻度が高く、継続的にユーザーフィードバックが必要なチーム。
- 成長中のSaaSチーム。 ユーザーリサーチを重視し始めているものの、複雑な研究ツールチェーンまでは構築したくないチーム。
- Figmaプロトタイプをテストしたいチーム。 デザインから検証までの流れがスムーズです。
あまり向いていない人:
- 予算が限られている個人や小規模チーム。 無料版ではすぐ不足し、Starterも決して安くありません。
- 単純なアンケートだけが必要な人。 Google FormsやTypeformの方が直接的です。
- すでに成熟した研究チームと完成されたツールチェーンを持つ企業。 Mazeの一体型ワークフローのメリットは小さくなる可能性があります。
- AIにプロダクト判断まで自動化してほしい人。 データ整理は自動化できますが、最終的な判断は自分たちで行う必要があります。
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