Maze

2.10
ユーザー募集、ユーザビリティテスト、データ分析、レポート作成を1つのプラットフォームにまとめたユーザーリサーチツールです。
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会社Maze
カテゴリーAIオフィス
リリース2018
更新日2026-08-25

Maze 概要

Mazeは、ユーザーリサーチにおける主に3つの工程、参加者を集める、テストする、結果を見るという部分を効率化するツールです。

自社のユーザーを使うこともできますし、Mazeのグローバルな参加者プールから条件に合う対象者を募集することもできます。

対応するテスト方法も幅広く、Figmaのプロトタイプを直接取り込めるほか、実際のWebサイトのテスト、カードソーティング、ツリーテスト、5秒テスト、アンケート、インタビューなどにも対応しています。

テストを公開すると、参加者が指定されたタスクを進め、その過程でMazeが成功率、所要時間、クリック経路などを自動で記録します。その後、ヒートマップ、パス分析、動画クリップなども生成されます。

以前は、こうしたデータの多くをリサーチャーが自分で集計・整理する必要がありましたが、現在は基礎的な分析のかなりの部分をプラットフォーム側で処理できます。

ここがMazeの大きな価値です。ユーザーリサーチを、専門のリサーチャーだけが扱えるものにしていない点にあります。テスト設計が適切であれば、プロダクトマネージャー、デザイナー、さらにはエンジニアでも、自分たちで基本的なリサーチを実施できます。

Maze 料金プラン

プラン価格説明
Free(無料プラン) 無料 月に1件のアクティブなリサーチを実施でき、最大5席まで利用できます。 プロトタイプテスト、アンケート、Webサイトテストなどの基本機能に対応しています。
Starter(スタータープラン) $99 - $120/月 より多くのリサーチを実施でき、カードソーティング、ツリーテスト、インタビュー調査に加えて、より充実した参加者管理とチーム管理機能が利用できます。
Organization(企業版) 要問い合わせ より高度な権限管理、セキュリティ、SSO、コンプライアンス対応、カスタマーサクセス支援を提供します。

Mazeは無料プラン、Starter、Organizationを提供しており、有料プランは主に年額契約です。

無料版は、まず一度テストを最後まで実施して、チームが本当にこの種のユーザーリサーチツールを必要としているか確認する用途に向いています。

毎月新機能を継続的に検証したり、ツリーテスト、カードソーティング、インタビューなどを使ったりする場合は、Starterの方が長期利用に適しています。

Organizationの主な価値は、より高度な企業向け管理機能やコンプライアンス対応にあります。

Maze 主な機能

  1. 多様なユーザーリサーチ手法
    プロトタイプテスト、Webサイトテスト、アンケート、カードソーティング、ツリーテスト、5秒テスト、インタビューなど、代表的なリサーチ手法に対応しています。
  2. 参加者の募集・管理
    自社ユーザーを使うことも、Mazeのグローバルな参加者プールから条件に合うテスト対象者を探すこともできます。
  3. 自動分析レポート
    テスト終了後、成功率、タスク所要時間、ユーザー経路、ヒートマップなどを自動で整理し、共有可能なリサーチ結果を生成します。
  4. AIによるリサーチ支援
    質問文の改善、自由回答の整理、テーマ抽出、要約生成などを支援します。ただし、最終的なインサイトの判断は人が行う必要があります。
  5. Figma連携
    Figmaのプロトタイプを直接取り込んでテストできるため、別のテスト用ページとして作り直す必要がありません。
  6. チームコラボレーション
    リサーチの共有、コメント、レポート閲覧、権限管理に対応しており、デザイン、プロダクト、リサーチチームで共同利用できます。

Maze 編集部レビュー

Figmaのプロトタイプを使って、Mazeで一通りテストを実施してみました。

設定は想像していたより簡単でした。プロトタイプを取り込み、タスクと質問を追加し、参加者を選べば、そのまま公開できます。テスト結果が集まったあとも、自分で表計算にまとめ直す必要はありません。

最も時間を節約できるのは、自動レポートです。

各タスクを何人が完了したか、平均でどれくらい時間がかかったか、どこが最もクリックされたかといった情報を、Mazeが自動で整理してくれます。従来のユーザビリティテストでは、こうしたデータを人が集計することが多かったですが、Mazeならテスト終了後すぐに確認できます。

ただし、Mazeが教えてくれるのは主に**「何が起きたか」であって、必ずしも「なぜ起きたか」**ではありません。

たとえば、あるステップだけ成功率が急に低下していれば、Mazeはその異常を簡単に見つけてくれます。しかし、ユーザーがなぜそこで詰まったのかを理解するには、録画を見たり、回答を読んだり、場合によっては追加インタビューを行ったりする必要があります。

AI機能も同様です。

自由回答を要約したり、質問文に誘導的な表現が含まれていないかを指摘したりできます。確かに便利ですが、複雑なフィードバックでは、最終的に人が文脈を理解して解釈する必要があります。

無料版の制限はかなり明確で、月に実施できる研究は1件だけです。

Mazeがチームに合うかどうかを確認するには十分ですが、本格的にプロダクト改善へ組み込むと、月1回では通常足りません。

個人的に良いと感じたのは、研究手法ごとに単に名前だけを変えているわけではない点です。

ツリーテストやカードソーティングを作成すると、画面、ガイド、設定フローもそれぞれに合わせて変わります。UX Researchを体系的に学んだことがなくても、テンプレートに沿えばおおよその設定方法が分かります。

長所・短所

長所

  • ワークフローが集約されている。 リクルーティング、テスト、分析、レポートまで、複数ツールを行き来する必要が少ないです。
  • 自動レポートで時間を節約できる。 成功率、所要時間、行動経路、ヒートマップなどを直接生成できます。
  • Figmaとの連携がスムーズ。 デザイン完成後、すぐに検証フェーズへ移りやすいです。
  • 研究手法が幅広い。 シンプルなアンケートからツリーテスト、カードソーティング、インタビューまで対応しています。
  • 専門研究者でなくても使いやすい。 特にプロダクトマネージャーやデザイナーに向いています。

短所

  • Starterは安くない。 月額約$100は、個人や小規模チームには負担になりやすいです。
  • 無料版の利用枠が少ない。 月1件の研究は、実質的には体験版に近いです。
  • AIは分析を補助するだけ。 結果を整理することはできますが、ユーザーインサイトそのものを代わりに導き出すわけではありません。
  • テスト設計のスキルは依然として必要。 ツールが簡単でも、良い研究課題を設計すること自体は簡単ではありません。

向いている人 / 向いていない人

向いている人:

  • プロダクトマネージャーやデザイナー。 専任リサーチャーがいなくても、継続的にデザインや機能を検証したい人。
  • 高速で改善を繰り返すプロダクトチーム。 リリース頻度が高く、継続的にユーザーフィードバックが必要なチーム。
  • 成長中のSaaSチーム。 ユーザーリサーチを重視し始めているものの、複雑な研究ツールチェーンまでは構築したくないチーム。
  • Figmaプロトタイプをテストしたいチーム。 デザインから検証までの流れがスムーズです。

あまり向いていない人:

  • 予算が限られている個人や小規模チーム。 無料版ではすぐ不足し、Starterも決して安くありません。
  • 単純なアンケートだけが必要な人。 Google FormsやTypeformの方が直接的です。
  • すでに成熟した研究チームと完成されたツールチェーンを持つ企業。 Mazeの一体型ワークフローのメリットは小さくなる可能性があります。
  • AIにプロダクト判断まで自動化してほしい人。 データ整理は自動化できますが、最終的な判断は自分たちで行う必要があります。

まとめ

Mazeの最も実用的なところは、ユーザーリサーチを「自動化する」ことではなく、これまで面倒だった多くの工程を軽くしてくれることです。

Figmaのプロトタイプを取り込み、タスクを設定して、参加者にテストしてもらう。すると、その後の成功率、行動経路、ヒートマップ、録画などを1か所で確認できます。チームは、複雑なリサーチ環境を最初から構築しなくても、すぐにプロダクト検証を始められます。

ただし、Mazeが「なぜユーザーがその行動を取ったのか」まで自動で答えてくれるわけではありません。最終的な分析、解釈、プロダクト判断は、依然として人が行う必要があります。

そのため、まずは現在開発中の実際の機能を1つ選び、無料枠でテストを1回回してみる使い方が適しています。Mazeのデータによってチームが問題をより早く発見できると確認できた段階で、Starterを検討すれば十分です。

ユーザーリサーチにおいて、ツールの役割は証拠をテーブルの上に並べることです。その証拠をどう理解するかは、最後まで人の仕事です。

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