報告書の文章をAIに直してもらうため、いったんコピーしてチャット画面に貼り付ける。修正案が返ってきたら、また元のファイルに戻す。生成AIを仕事で使う人にとって、こうした手間は意外と大きい。

中国IT大手テンセントの業務支援ツール「WorkBuddy」は、文書の中でそのままAIに編集を頼める機能を追加した。人が書いた内容をAIが途中から引き継ぎ、同じファイル上で作業を進められる。

使い方はシンプルだ。文章や表、スライドの一部を選び、「読みやすく直す」「要点をまとめる」「内容を補う」といった指示を出す。AIの提案は元の文書内に表示され、利用者は確認してから反映できる。

Word、Excel、PowerPoint、Markdown、テンセント文書に対応する。文章の書き直しだけでなく、表の整理やデータの要約、グラフ作成、スライドの構成調整などにも使えるという。

たとえば、会議前に急いで資料を仕上げたいとき、長い説明を短くまとめてもらったり、分かりにくい表現を整えてもらったりできる。別のアプリを開く必要がなく、コピーの途中で書式が崩れる心配も減る。

一方、AIの提案をそのまま採用するのは避けたい。前後の文脈を正しくつかめない場合や、数字や固有名詞を誤る可能性があるためだ。社外向けの資料や重要な報告書では、最後に人が確認する作業が欠かせない。

WorkBuddyの狙いは、文書作成を丸ごとAIに任せることではない。細かな修正は人が行い、時間のかかる書き直しや繰り返し作業をAIに任せる。そんな役割分担をしやすくする機能といえる。

AIが別画面で答えを返すだけでなく、実際の作業画面に入り込む。今回の機能は、生成AIが日常のオフィス業務に溶け込んでいく流れを示す一例になりそうだ。