1. 拡散型生成で、とにかく速い
Mercury 2.5 の特徴は、生成方法そのものにある。
自己回帰型モデルはトークンを順番に生成するが、Mercury は出力の複数箇所を並行して更新できる。
Inception の公表値は毎秒1,107トークン。最初のトークンが出るまでの遅延は300ミリ秒未満としている。
OpenCall の事例では、導入後にP99遅延が数分から約1秒まで短縮。P50も0.4秒から0.2秒未満に下がった。
1回だけ呼ぶなら、体感差はそこまで大きくないかもしれない。数十回続けて呼ぶ処理になると、1回ごとの待ち時間がそのまま全体の速さに響く。
2. ツール呼び出しとJSON出力
並列のツール呼び出しに対応し、指定したスキーマに沿ったJSONも返せる。
検索エージェントなら、複数の検索を同時に走らせ、その結果を決まった形式で次の処理へ渡せる。
推論レベルも変更可能だ。軽い処理では低めに設定し、難しい仕事では推論量を増やせる。
3. コンテキストは26万トークン
Mercury 2 のコンテキストウィンドウは12.8万トークンだった。2.5では26万トークンまで広がり、最大出力も6.6万トークンになった。
長い文書や大量の検索結果、ある程度まとまった量のコードを一度に渡せる。
ただ、26万トークン入ることと、26万トークンの中身を最後まで正確に扱えることは同じではない。このあたりは実際の長文タスクで見たい。
4. Mercury 2 から何が変わったか
Mercury 2 は2026年2月に公開され、速度は公表値で毎秒約1,009トークンだった。
2.5では毎秒1,107トークンに上がり、コンテキストは12.8万から26万トークンへ拡大。Inception は知能面でも約40%向上したとしており、コーディング、指示追従、数学推論の改善を挙げている。
速度はすでにMercury 2の時点でかなり高かったので、今回の更新ではコンテキスト拡大の方が目につく。
気になるのはコーディングだ。
第三者テストでは、40件のコーディングタスクのうち28件が完全に成功した。11件では、実際には処理に失敗していたにもかかわらず、モデルが完了と判断している。
ここは軽く見にくい。コードそのもののミスなら、テストで見つけられることも多い。完了判定を間違えると、エージェント側は失敗に気づかないまま次の処理へ進んでしまう。
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