Riveエディタを1週間ほど使って、シンプルなインタラクションをひとつ作ってみました。
ボタンがIdleからHoverへ移り、クリック成功状態になり、その途中にローディングアニメーションが入る構成です。
使い始めやすさ:やや高めです。
最初の2時間くらいは、ほぼ操作を探りながら進めました。
Riveの考え方はFigmaともAfter Effectsともかなり違います。
感覚としては、アニメーション向けのビジュアルIDEに近いです。
いちばん慣れが必要だったのはState Machineでした。
まず複数のアニメーション状態を作り、そのあとState Machineに入り、それぞれを接続して、どんな条件でAからBへ切り替わるのかを設定します。
「タイムラインを作る → 書き出す」というAEやLottieのワークフローに慣れていると、最初は少し違和感があります。
ただ、**「状態=アニメーションの断片、線=切り替え条件」**と理解すると、一気にわかりやすくなりました。
実際のランタイムでの動きは、いちばん満足した部分です。
.rivファイルを書き出し、Rive公式のWebサンプルに直接入れて試したところ、Hover、Click、Loadingの動きはすべて正常に動き、エディタ内のプレビューともほぼ同じでした。
テスト用ファイルはわずか18KBでした。
大量のアニメーションを使うモバイルプロダクトでは、この軽さはかなり魅力的です。
実際につまずいたところ
- 最初から複雑なキャラクターを作らないほうがいい
Bonesを使って手を振るキャラクターを作ってみましたが、腕が何度も体を突き抜けました。ボーンを置くだけでは終わらず、ウェイト調整までかなり丁寧にやる必要があります。初心者なら、まずはボタン、トグル、プログレスバーのようなUIマイクロインタラクションから始めたほうがいいです。
- State Machineは簡単にループしてしまう
AとBのトリガー条件を逆に設定してしまい、アニメーションが2つの状態を延々と行き来したことがありました。Riveがこうしたロジック上のミスをすべて防いでくれるわけではありません。状態が増えるほど、自分で確認する必要があります。
- 無料版はそのまま本番投入できない
テストファイルを作り終えてから、Freeプランでは本番用.rivを書き出せないことに気づきました。最終的にはCadetに加入してテストを完了しました。リリースが目的なら、最初からこのコストを見込んでおいたほうがいいです。
- 中国語の情報はまだ多くない
公式チュートリアルやコミュニティ情報は、今でも英語が中心です。具体的な問題に当たったときは、主に公式ドキュメント、Blog、YouTubeを頼りました。
良いところ
- デザインをそのまま本番環境に持っていける
デザイナーが作ったものを開発者がもう一度再現する必要がなく、ハンドオフのコストをかなり減らせます。
- ファイルサイズが小さい
モバイル、低速回線、アプリ容量に敏感なプロダクトでは大きなメリットです。
- 単純なアニメーション再生よりインタラクションが強い
State Machineを使えば、決められた動画を再生するだけでなく、ユーザー操作やデータに合わせてリアルタイムに変化できます。
- クロスプラットフォームで一貫性を保ちやすい
同じ.rivファイルをWeb、アプリ、ゲーム環境で使えるため、プラットフォームごとに作り直す手間を減らせます。
- 大規模プロダクトでの採用実績がある
Spotify、Duolingo、LinkedIn、BMWなどのプロダクトやチームでもRiveが使われています。
気になるところ
- 学習コストははっきりある
State Machine、Data Binding、Bonesなど、それぞれ個別に理解する必要があります。開いてすぐ使いこなせるタイプのツールではありません。
- エコシステムはまだLottieほど大きくない
テンプレート、コミュニティ素材、サードパーティーのリソースは、LottieFilesほど充実していません。
- 一部の高度な機能はまだ発展途中
マスク、スクリプト、編集周りの機能には、今も継続的に改善されている部分があります。
- 高度な共同作業には上位プランが必要
無料版のコラボレーション機能には制限があり、Librariesなどのチーム向け機能はVoyagerが必要です。
向いている人
UI / UXデザイナー
インタラクションを単なるモックではなく、実際に動く状態まで自分で作りたい人にはかなり向いています。
モバイル・ゲーム開発チーム
ファイルが軽く、パフォーマンスも高く、複数プラットフォームで再利用できるため、大量のプロダクトアニメーションを長期運用するチームと相性がいいです。
データ駆動型アニメーションが必要なプロダクト
ダッシュボード、スポーツスコア、進捗表示、パーソナライズ画面のようなケースでは、Data Bindingがかなり有効です。
パフォーマンスやアプリ容量を重視するプロジェクト
車載システム、低スペック端末、IoT、低速回線環境などにも向いています。
あまり向いていない人
一度再生するだけのアニメーションが欲しい人
GIF、SNS動画、一般的なLoading程度なら、After Effects、CapCut、既製のLottie素材のほうが早いことが多いです。
納期が極端に短いプロジェクト
Riveは最初に学習とデバッグが必要です。今日中に公開したいような案件なら、完成済みテンプレートを使うほうが安定します。
インタラクションが不要なグラフィックデザイン
静止画だけを作るのであれば、Riveの強みはほとんど活かせません。FigmaやIllustratorのほうが素直に使えます。
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