まず、比較的シンプルな人物1人の動画をアップロードしました。
人物がカメラの前で動いている映像を用意し、プリセットのロボットキャラクターを選んで置き換えました。
処理が完了すると、元の人物はロボットへ変わっていました。主要な体の動きはほぼ追従しており、カメラの動きとシーン内の位置関係も維持されていました。
このようなショットは、初めて見ると非常にわかりやすい効果があります。
従来なら、トラッキング、切り抜き、モーションキャプチャを行い、その後にCGキャラクターを処理する必要がありました。Flow Studioは、その多くの工程を一度の処理へまとめています。
ただし、「動画をアップロードするだけで完成映像が出てくる」わけではありません。
シンプルなショットは効率化できますが、複雑なショットでは依然として問題が出ます。
人物が素早く振り向く、腕を交差させる、体の一部がほかの物体に隠れるといった場面では、動きが不自然になりやすいです。キャラクターの輪郭や光と影も、追加修正が必要になる場合があります。
短いSNS動画として使うだけなら、すでに許容できる品質かもしれません。
しかし、本格的な映画や広告へ使用する場合は、通常、データを3Dソフトへ書き出して、さらに調整する必要があります。
そのため、Maya、Blender、Unreal Engineを使えるかどうかは、最終的な仕上がりへ引き続き影響します。
Creditsの消費量も、事前に計算する必要があります。
5秒の実写ショットを1秒あたり20 Creditsで処理すると、合計100 Creditsになります。無料版は300 Creditsしかないため、数回試すだけですぐに使い切る可能性があります。
本格的なプロジェクトでは、先に処理するショットを選別し、本当にAI VFXが必要な部分だけをアップロードするほうがよいでしょう。
もうひとつの特徴は、ローカルPCへの要求がそれほど高くないことです。
計算処理の大部分はクラウドで行われるため、一般的なPCからブラウザで利用できます。ただし、素材が大きいほどネットワークへの依存度が高まります。特に4K動画では、アップロードとダウンロードにかなりの時間がかかります。
Autodeskの教育利用資格がある場合は、まず教育プランの窓口を確認することをおすすめします。
学生にとっては、最初からサブスクリプションを契約するより適切です。
良いところ
- 従来型のモーションキャプチャ機器が不要: 一般的な動画から体、顔、手の動きを抽出できます。
- 基礎的なVFX作業を大幅に減らせる: キャラクター置き換え、カメラトラッキング、一部のポストプロダクション素材を自動生成できます。
- 生成結果を引き続き編集できる: Maya、Blender、Unreal Engineなどへデータを書き出して仕上げられます。
- ブラウザだけで利用できる: 複雑なローカル計算環境を構築する必要がありません。
- 無料版で一連の流れを試せる: 300 Creditsあれば、短いショットを数本テストできます。
- 教育ユーザー向けの利用方法がある: 対象者は教育プランを確認できます。
気になるところ
- 複雑な動きでは依然としてエラーが発生する: 素早い動作、遮蔽、複数人のショットはAIにとって難易度が高くなります。
- 完成映像にはポストプロダクション能力が必要: 自動処理が終わっても、そのまま納品できるとは限りません。
- Creditsを急速に消費する: 動画が少し長くなるだけで、費用が明確に増加します。
- ネットワークへの依存度が高い: 大容量素材のアップロードとダウンロードには、安定した通信環境が必要です。
- 一部プランの料金が不透明: Standardなどのプランは、詳細な見積もりを確認する必要があります。
向いている人 / あまり向いていない人
向いている人
- インディペンデント映画制作者: 完全なVFXチームはないものの、プロジェクトにCGキャラクターが必要な人に適しています。
- YouTube・短編動画クリエイター: 実写素材へ3Dキャラクターや視覚効果を素早く追加できます。
- 小規模な広告・制作チーム: プレビジュアライゼーションや基礎的なVFXを素早く作り、その後でポストプロダクション担当者が仕上げられます。
- 3D・VFX初心者: 繰り返し行うトラッキングやモーションキャプチャ作業を減らし、その後の調整へ時間を使えます。
- すでにMaya、Blender、Unrealのワークフローを持つ人: Flow Studioから書き出したデータを実際の制作へ活用しやすくなります。
あまり向いていない人
- ワンクリックで完成作品を作りたい人: 複雑なショットでは、通常追加修正が必要です。
- 3Dソフトを一切使いたくない人: AIは作業のハードルを下げますが、ポストプロダクション全体を代行するわけではありません。
- 複雑な複数人ショットを頻繁に扱うチーム: 遮蔽、高速動作、人物同士のやり取りでは問題が起きやすくなります。
- 通信環境が悪い人: 大量の動画をクラウド処理する場合、使いにくくなります。
- 長い動画へ大量のVFXを適用する人: 秒単位のCredits消費を慎重に計算する必要があります。
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