Stitch

1.65
Geminiを搭載したAIデザインツールです。テキスト、音声、参考画像から高忠実度のUIを生成し、そのままプロトタイプの作成やデザイン・コードの書き出しまで行えます。
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会社Google
カテゴリーAIデザイン
リリース2025-05
更新日2026-08-27

Stitch 概要

従来のデザインツールでは、通常、白紙のキャンバスから作業を始めます。まず構造を描き、コンポーネントを配置し、その後にフォント、色、余白を調整します。

Stitchでは、この順序が変わります。最初に、自分が何を作りたいのかを伝えます。

たとえば、次のように入力します。

「Apple HealthとHeadspaceを参考に、静かでミニマルな瞑想アプリのランディングページをデザインしてください。」

自分でワイヤーフレームを作るところから始めるのではなく、説明に基づいて複数のビジュアル方向を生成します。

Googleは、この作業方法を「Vibe Design」と呼んでいます。重要なのは、個々のボタンをどのように描くかではありません。まずプロダクトの目的、スタイル、雰囲気を明確に伝え、最初のビジュアル化をAIに任せます。

入力方法はテキストだけではありません。画像、手描きのスケッチ、コードスニペットも参考資料として使用でき、音声でデザインの修正を直接指示することも可能です。

インターフェースを生成した後は、画面同士をつなげてインタラクティブなプロトタイプを作成できます。さらにFigmaへ書き出したり、HTML/CSSやReactなどのコードを生成したりできます。

Stitchにとって、「魅力的なUIを生成すること」は出発点にすぎません。最終的に目指しているのは、アイデアからプロトタイプ、そして開発までのプロセスをつなげることです。

Stitch 料金プラン

プラン価格説明
標準モード 無料 月間の利用枠は約350回で、Gemini 2.5 Flashを搭載しています。処理が速く、日常的な生成や繰り返しの修正に適しています。
実験モード 無料 月間の利用枠は比較的少ないものの、より高性能なGemini 2.5 Proを使用しており、画像やスケッチなどの複雑な入力に適しています。

Stitchは現在、無料で利用できる段階にあり、通常の有料プランはありません。生成モードごとに、それぞれ異なる利用枠が設定されています。

実際の消費量はタスクによって変わります。プロジェクト全体の作成や複数ページの生成は、色やレイアウトを一度変更するだけの場合より、通常多くの利用枠を消費します。

現時点で有料の利用条件がないことは、Stitchの明確な強みです。Standard Modeは多くのプロトタイプ案を試すのに十分で、Experimental Modeは複雑なタスク用に残しておくのが適しています。

Stitch 主な機能

  1. Vibe Design
    テキストまたは音声でプロダクト、スタイル、要件を説明すると、AIが複数の高忠実度UI案を自動生成します。
  2. マルチモーダル入力
    テキストだけでなく、画像、手描きのスケッチ、コードスニペットもアップロードできます。AIが既存の素材をもとに、デザインを続けます。
  3. Design Agent
    AIがプロジェクトのコンテキストを保持し、デザインのバリエーション生成、画面の修正、デザインに関する提案を継続して行います。
  4. Voice Canvas
    音声でキャンバスを直接編集できます。ダークテーマへの切り替え、レイアウトの調整、新しい画面案の生成などが可能です。
  5. インタラクティブプロトタイプ
    複数の画面をつなげて、クリック可能なフローを作成します。プロダクトの導線テストやアイデアのデモに利用できます。
  6. DESIGN.md
    色、フォント、余白などのデザインルールを再利用可能なファイルにまとめます。異なるツールや開発工程でも、一貫性を維持しやすくなります。
  7. デザインとコードの書き出し
    生成結果をFigmaへ引き継げるほか、HTML/CSSやReactなどのフロントエンドコードも生成できます。

Stitch 編集部レビュー

Stitchを開くと、画面は非常にシンプルです。

Figmaのような多くのツールが並ぶツールバーはなく、最も目立つのは入力欄です。最初に尋ねられるのは「何を描くのか」ではなく、「何を作りたいのか」です。

私は次のように入力しました。

「ユーザーが毎日の水分摂取量を記録できる、シンプルで爽やかなデザインのアプリを作ってください。」

Stitchは、すぐに1枚の画面を表示するのではなく、まず配色、フォント、コンポーネントのスタイルを整理し、その後に複数の画面を生成しました。インターフェースが少しずつ形になっていく様子を見ることができ、まるで隣にデザイナーが座っているような感覚があります。

アイデアから最初のデザイン案までの時間は、確かに大幅に短くなりました。

これまでは、この段階で参考資料を探し、スケッチを描き、デザインソフトで画面を組み立てる必要がありました。Stitchは、その前半の長い工程を「要件を説明する」「結果を見る」「さらに修正する」という流れに短縮します。

数分あれば、議論に使える一連のデザインを作成できます。

ただし、生成が速いからといって、判断が不要になるわけではありません。

Stitchは、一度に複数の方向性を提示することがよくあります。見た目は魅力的でも、プロダクトのロジックに合わない案もあります。構造は合理的でも、デザインが平凡な案もあります。最終的にどの案を残すかは、依然として人間の判断にかかっています。

そのため、実際に使ってみると、意外にも「選ぶ」ことに多くの時間を使いました。

これも、従来のデザインソフトとの大きな違いのひとつです。以前は多くの時間を制作に費やしていましたが、現在は選択、修正、判断へ使う時間が増えています。

プロトタイプ機能も使いやすいです。

生成した画面同士をつなげると、クリック操作の流れを直接プレビューできます。既存のフローから操作を続けると、次に必要になりそうな画面をStitchが補ってくれる場合もあります。

初期段階のプロダクトデモを作る際に便利です。

現在の無料利用枠も比較的余裕があります。日常的なデザイン案の検討ならStandard Modeで基本的に十分です。画像やスケッチなど、より複雑な入力が必要な場合にExperimental Modeへ切り替えるのが適しています。

良いところ

  • 現在は無料: プロトタイプ制作やデザイン探索を、費用をあまり気にせず行えます。
  • すぐに始められる: Figmaを使えなくても、プロダクトのアイデアを画面へ変換できます。
  • 生成結果が高忠実度UIに近い: 単純なワイヤーフレームではなく、そのまま議論やデモに使える水準です。
  • 修正方法が自然: 結果に満足できなければ、テキストや音声で追加の要望を伝えられます。
  • デザインから開発へ移行しやすい: Figmaやコードへの書き出しにより、結果が単なる完成イメージで終わりません。

気になるところ

  • 細部のコントロールには限界がある: ピクセル単位で調整する場合は、従来のデザインツールのほうが便利です。
  • AIの生成結果が似通いやすい: 要件の説明が一般的だと、画面もよくあるSaaSテンプレートのような仕上がりになりがちです。
  • プロダクトのロジックは自分で確認する必要がある: 画面が美しくても、フローが合理的とは限りません。
  • Google Labsの製品である: 機能、利用枠、製品の方向性が今後変わる可能性があります。
  • クラウド処理ではデータへの配慮が必要: 機密性の高いプロジェクトでは、すべての社内資料をそのままアップロードするのは適切ではありません。

向いている人 / あまり向いていない人

向いている人

  • プロダクトマネージャーや起業家: アイデアはあるもののデザインリソースがない場合、最初のプロトタイプを素早く作成できます。
  • 個人開発者: コーディングの前に画面とフローを検証し、フロントエンド開発の試行錯誤を減らせます。
  • デザイナー: 毎回白紙のキャンバスから始めることなく、複数のビジュアル方向を素早く検討できます。
  • 学生やデザイン初心者: 要件がインターフェースへ変わる過程を、低いハードルで理解できます。
  • 短時間でデモを作る必要があるチーム: 抽象的な議論を、数分で具体的な画面へ変換できます。

あまり向いていない人

  • ピクセル単位の制御が必要なプロのデザイナー: Stitchは高速生成を得意とするツールであり、精密な仕上げには向いていません。
  • デザインシステムの要件が非常に厳しい成熟したチーム: AIの生成結果には、依然として多くのガイドライン調整が必要です。
  • 機密性の高い情報を扱うプロジェクト: クラウド型AIツールでは、データセキュリティを慎重に検討する必要があります。
  • AIにプロダクト上の意思決定まで任せたい人: Stitchは案を生成できますが、どの案がユーザーに本当に適しているかまでは判断してくれません。

まとめ

Google Stitchが変えるのは、「デザイナーが今後もUIを描けるかどうか」ではなく、最初のUI案を本当にゼロから作る必要があるのかという点です。

以前は、プロダクトのアイデアをまずスケッチにし、次にワイヤーフレームを作り、最後にようやく高忠実度デザインへ進む必要がありました。現在は、一文の指示から複数の方向性を生成し、具体的な画面を見ながら、より早い段階で議論を始められます。

これは、プロダクトマネージャー、個人開発者、起業家にとって特に便利です。

ただし、StitchはFigmaを完全に置き換えるものというより、高速なデザインパートナーに近いツールです。アイデアを素早く目に見える形へ変えることは得意ですが、細かな調整、複雑なデザインシステム、最終的な納品の段階では、依然としてプロ向けツールに明確な強みがあります。

なかなか形にできなかったアプリのアイデアがあるなら、白紙のキャンバスから始めるより、Stitchで最初の画面案を生成するほうが時間を節約できます。

最終的に自分で責任を持つ必要があるのは、選択、判断、そして最後の細部です。

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